本との出会い2025年夏 「作家と楽しむ古典」河出書房新社

1. 偶然から始まった旅

なにげなくテレビでYouTubeを流していると、杏さんのチャンネルが始まりました。
“大阪”“友人の本屋訪問”“素敵な本との出会い”——。
気になるキーワードが次々と出てきます。

「東京じゃないんだ! 今から行ける! 新しい本屋さんだ!」

そう思うと嬉しくなり、さっそくDUKE書店へ足を運びました。


📸 写真案:「DUKE書店」外観。緑に囲まれたやさしい雰囲気。


2. 本とカフェが溶け合う場所

緑が多く、気持ちの良さそうな外観。
中に入ると、本屋とカフェが一緒になった空間が広がり、静かに珈琲を楽しむ人たちがいます。
その穏やかな雰囲気にお邪魔させていただきました。

来る前に杏さんのYouTubeで見た本を探します。
棚ごとにテーマが異なり、話題がくるくる変わるようで、ワクワクしながら見て回りました。

最近は目的の本がないと本屋に行かなかったので、「棚を眺める」という体験そのものが新鮮でした。


3. 出会いは突然に

お目当ての本は見つからず——。
「あれ、今日はタイミングが違ったのかな」と少ししょんぼりしかけた、そのとき。
一冊の本が「私を見て!」とでも言うように、目に飛び込んできました。

「作家と楽しむ古典」 河出書房新社


📸 写真案:購入した本の表紙アップ。「国語資料集風」の色合いがわかる構図。


4. 装丁から始まる古典の旅

装丁が国語の資料集を思わせる色合いと構成。
やわらかな花びらがこぼれ落ち、水面に浮かんでいるよう。
雀の凛とした佇まいも素敵で、葉に少し隠れているのもまた良い。

土佐日記、堤中納言物語、枕草子、方丈記、徒然草——。
懐かしいタイトルが並びます。

それぞれにまつわる記憶がよみがえり、もう買うことは決定。
レジへと向かいました。


5. この本の正体

【はじめに】を読むと、この本は池澤夏樹さんが作家と訳者をマッチングし、古典の現代語訳を依頼。
さらに、その過程での苦労や楽しさを語ってもらう「連続古典講義」を開催し、その記録をまとめたものでした。

つまりこの本は副読本であり、紹介された現代語訳は
**『池澤夏樹=個人編集 日本文学全集』**の03(堤中納言物語、土佐日記)と07(枕草子、方丈記、徒然草)で読めます。

新しい本の世界がどんどん広がっていく予感に、思わず笑みがこぼれます。


6. 読みながら旅する五つの古典

土佐日記(堀江敏幸)

  • フランス詩の文体が日本の古典に似ていると気づいたエピソード。
  • 写本の4系統や「土佐日記」「土左日記」の違いなど、深掘り話が面白い。
    古典を現代語訳する難しさを実感。

堤中納言物語(中島京子)

  • 不安と緊張を抱えながら古典に向き合う訳者の姿勢。
  • 膨大な調べ物の末に生まれる、その人らしい訳。
  • 特に〔末尾断簡〕は私も共感。

枕草子(酒井順子)

  • 清少納言と訳者が千年違いの同年生まれという偶然。
  • エッセイストとしての共鳴が訳文にあふれる。
  • 「春はあけぼの…」の現代語訳が圧巻。

方丈記(高橋源一郎)

  • 炎上エピソードから始まる翻訳論。
  • 千年前の人の感情や風景を五感で感じられる訳が魅力。

徒然草(内田樹)

  • 「仁和寺にある法師」で仁和寺に行きたくなった自分の気持ちに納得。
  • 臨場感が強く、読んでいるだけで現場に立っているような感覚。

7. 読後に残ったもの

普段から本を書いている訳者たちもまた、千年の大先輩に向き合い、さまざまな感情を抱きながら翻訳していることが伝わってきました。

たまたま出会った一冊が、自分の視点を広げ、次の読書の道を作ってくれる。
面白いものです。

そして——YouTubeを見なければ出会わなかったであろう本との偶然の出会いに感謝。
テレビの向こうでにこにこしている杏さんにも、ありがとうを伝えたいです。

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